成果の有無より実験を楽しみたい例

よく考えたらFonの話をブログで今まで書いていなかった。
私用Wikiでは色々と纏めたりしていたのだけど、今回はそのFonの話題。

Fonというのは、短絡的に説明すると
最近では多くのノートPCにも内蔵されている無線LAN、それの家庭用基地局(WiFiルーター)を、
世界中のユーザーで共有利用しよう、というプロジェクトで、
自分ちの回線、無線LANで使っていいから、みんなのも使わせてね、そんな感じかな。
それを悪用されたりしないように管理したりする会社がFONである。
興味を持たれた方は、ググって調べてみてほしい。

いきなり深い話から入る。
私の知る範囲では、Fonの最初のメジャーな実装は、LINKSYSのWiFiルーター用LinuxディストリビューションであるDD-WRTを利用したものだった。

最初にこれを試してみようと、昨年(2006)3月頃にLINKSYSルーターの対象機種を探したのだが、既に日本国内では販売終了品だったため結局見つからず、
同ディストリビューションに対応していた別のルーターであるBUFFALOのWiFiルーターを買って試してみた。
ところが、tftpがうまくいかないというなさけ無い理由でインストールすらできなかった。
その後、BUFFALOのルータ用のFon専用簡単ファームも登場したのだが、
同じ理由でインストールは出来ず、結局は当時勤めていた会社の寮で、同僚の部屋のCATV回線に繋がせてもらい
僕の部屋まで電波を飛ばして、要は事実上僕専用のただ乗りアクセスポイントとして普通のWiFiルーターとして動いていた。
(この当時の同僚である田川出身のI川君には、本当に色々と世話になった。君とはまたいつか一緒に酒を飲みたいと思う。)

東京に戻り、このBUFFALOルータも御役御免になり、暫く火も入れられず腐っていた。

その後、FonからはLa FoneraというFon専用のルーターが用意され、既存ルーターを改造する必要は無くなった。
そして、Fonの日本における最初の波は、そのLa Foneraの国内ばら撒きとともに局所的なブームになる。

現在、秋葉原をはじめとして国内数箇所に店舗を持つ九十九電気が、このLa Foneraを店頭でも販売している。
このFon専用WiFiルーターであるLa Foneraも、オープンソースソフトウェアによって動作しているのだが、
先日、元となった?ディストリビューションであるDD-WRTの、La Fonera用のポートがついに公開された。

昨年12月のFonの来日イベントにおいて、同社のマーティンCEOはこんなようなことを言っていた覚えがある。
”Fonはそれ自体がオープンソースなんだぜ”
そんな感じのノリだった。そして、僕は彼を支持したいと思った。

LaFoneraルーターは九十九において¥1980-である。
前述のBUFFALOルーターは、当時¥11800-位の値段だった。
ハードウェア的には、多くの無線ルーターには有線ルーター機能(4ポートくらいのSW-Hub)が内蔵されている。
それ以外はさほど違いが無いルーターが¥1980-とは、おそらく利益の出る価格ではないと思う。
品質は悪くないどころか結構良いほうだと思うし、機能的にも市販ルーターと比べ、勝るとも劣るとも言えないが、並みの性能は持っている。
そして、このLa Foneraは、無線ルーターとして利用するには、強制的にFonアクセスポイントになってしまう、諸刃の剣?でもある。
だが、それがこの価格の理由なのだろう。

FonはGoogleやSkypeの資本が入っている、
先着順で送料負担のみの無料ばら撒きもあった。約8000台くらいなのだそうだ。
これって、現時点では赤字としか考えられない。
¥1980-のルーター販売でだって利益は出ていなさそうだ。

そして、DD-WRTのLa Foneraポートは公開された。
La Foneraがハックできるのは、なかなか興味深いことだ。
ただ、この場合、La Foneraの強制Fonero機能をオフに出来てしまうのも事実である。
La Foneraにおいてこの機能を適用してしまうことは悪用ではないが、
前述した前提を考えれば、あまり褒められたことではないだろう。

DD-WRTのLa Foneraポートはオープンソースの流れ的には、むしろ肯定的に捉えて良いと思う。
だが、その用途が、オープンソースを建前とした言い訳に使われないように、勘違いされることが無い事を望みたいし
この問題において、慎重に考えて欲しいと思うポイントでもある。
と、いうのも、La Foneraポートの開発に積極的にコミットできる人は、日本では多いとは言えない気もするんだよね。

Fonは営利企業である、
今後出荷されるLaFoneraファームには何らかの保護策が仕込まれたとしても仕方が無いとは思う。

九十九で買えばFoneraプロミスとも無縁だから
(そもそもFonプロミスは”Fonからのお願い”みたいなもの、強制力は無いような気がする。
 ソフトウェアライセンスでもないし、そうだとしてもファーム書き換えられたら適用は難しい。)
例えばひどい話、九十九で大量に仕入れて、ファーム書き換えて汎用ルーターにして、
それを5000円くらいで売れ(れ)ば、なかなかの利益率になるわけで、買う奴がいるかとか信用にどう影響するかどうかなどは別とすれば
秋葉原のジャンクショップとかヤフオクで、fonera機能を無効化した高機能ルーターとして売られたとしても問題はない。(かもしれない)
要はハードウェアのただ乗りに近い。
ただ、これもオープンソースのひとつの宿命ではある。
だからこそFonオフィスはオープンソースコミュニティに対して、大人な態度を見せてほしいものだ。
自分とこの庭でやられて気分の良い話題もあれば、そうでない話題もあるということだろうと思うけど、
RedHatの公式MLで空気読めないでCentOSのネタを出すみたいなプロセスが起こりつつあるってことかな。
進んでる。これって、なかなか高速な、そして健全な進化だと思う。

まあそれより、市販WiFiルーターに標準でFonera機能が組み込まれるように、
そして、ユーザーが設定をOnにしたくなるように頑張るのが、
今後のFonに望まれる積極的な営業戦略になっていく気がする。

なお、WRT系のオープンソースファームウェアを私も試してみたが、これがなかなか出来が良い。(特にDD-WRTは凄かった)
情報も増え、対応状況も良くなってきた為BUFFALOやLINKSYSの対応ルータではかなり試しやすい。入手性を考えるとBUFFALOは無難かな。
興味をもたれた方はこれだけ安くなったということもあり、
ちょっとしたオタク的おもちゃとして、La FoneraではないBUFFALOなどの対応ルータで遊んでみるのもまた面白いかもしれない。

今後もFonに期待したい。

後日追記
Fonのサポートに、これに関する記事が掲載された
なんでも、80ユーロ(!?)の市場価値があります。とのことです。

気付く時

以前、車輪の再発明の記事を書いたが、
車輪の再発明をしたとき、その本人はそうとはなかなか気づかないものだと思う。
何かを自分で発見したとき、そりゃ興奮するものだ。
そして、勝手にその発見を、自分のものにしてしまいがちだ。
だが、最近僕は冷静に、車輪の再発明ではないかと検証するようになった。
ネットのおかげでこれが容易くなった。
特許も無料でビシバシ検索できるし、
特許じゃなくても面白いことなんていくらでも転がってるのだ。
そして、その興奮から醒めるのも早くなったのは、ちょっと悲しいことなのかもしれない。

そこで思うのは、またかと思われるかもしれないが、
他言語の世界のことである。
ここでいう他言語とは、日本語以外の言語のことだ。
もちろん英語にも限らない、英語以外の言語だって、信頼性はともかくとしても、機械翻訳ってものがある。

日本語で探して見つからなくても、
外国語で探したとき、容易く見つかってしまうことが珍しくない。
だが、慣れない外国語で情報を探すというのは容易いことではない。このことがもどかしい、今回は痛感した。
特にコンピューターの世界はこれが多い、否、多分これはコンピューターの世界に限ったものではないのだ。
だから、外国語の情報源を避けていてはいけない。これは自戒である。

(今回は、mixiとブログで、同内容の記事を同時にあげてみました。)